情シス未経験が最低限知っておいた方がいい用語のお話(サービス名編)

概要/あらすじ

実務未経験から中小企業の情シスに転職。

従業員約350名規模、都内に3拠点、地方に4拠点の会社(非IT業種)で上司と後輩の3名体制。

なんやかんや情シスの仕事を始めて1年半ほどが経過し、少しずつ業務において必要なことがわかってきたので(つもり)、これから情シスの職種に転職を検討されている方、あるいは転職されたばかりの方でも最低限知っておいた方がいい用語、知識について備忘録も兼ねてまとめてみた。

こんばんは、ばーふぃんです。

前回は、インフラに関する情シス基本用語についてお話ししたので、今回はサービス名編でいこうと思います。

結構ITベンダーと会話をしていると、当たり前のように色んなサービス名を出されたりするので、有名どころは抑えておいた方がいいでしょう。

Windows機能

さて、一発目がサービス名というよりは、どちらかというとWindows Serverの機能のお話なのですが、以下に挙げるのは情シス界隈では常識な用語なので、紹介しておきます。企業規模が100人を超えてくると大半の企業が取り入れていることでしょう。

Active Directory

よくADなんて言ったりしますね。

Windows PCのアカウントや組織部門(OU)、ポリシー等をサーバから制御する仕組みです。

これを導入することによって、アカウントやコンピュータを一元管理することが出来、また、コンピュータのセキュリティ設定を組織部門(OU)ごとにポリシー付けすることが出来るので(グループポリシー)、セキュリティ対策にもなります。

Active Directory環境のことをドメイン環境と呼び、PCをActive Directory配下に置くことをよくドメイン参加なんて言ったりもしますね。

他にも、Active Directory上でセキュリティグループを設計してファイルサーバのアクセス権限と紐付けたり、シングルサインオンをしたりと、ドメイン環境を構築することで、社内ネットワークとしても出来ることがかなり広がってくると思います。

私がいる会社では、導入プロジェクトの真っ最中です。

WSUS

Windows Server Update Serviceの略称で、Windows Updateの制御をすることが可能です。

ADのグループポリシーと連携することで、更新プログラムをインストールするタイミングをOUごとにスケジューリング出来たりもします。

Windows10では、半年に一回機能更新プログラム(Future Update)と呼ばれる大型の更新があるのですが、容量が数GBにもわたるため、社内のPCが一斉にインターネットから更新プログラムのダウンロードをし始めた日にはインターネット回線の帯域が圧迫され、インターネット通信が出来ないといった業務に支障を来たしかねません。

また、最新のプログラムが業務で使用するアプリケーションに対応していないなんてこともあったりもします。

更新をする際は事前にテスト機等で検証を行ってからアップデートを適用する必要があったりと、今後はますますWindows Updateに関しては管理が大変になってくるため、PC台数が多い企業はWSUSで管理をしています。

IT資産管理

上記はWindowsのアカウントやセキュリティ設定、更新に関する管理ツールでしたが、IT資産管理はどちらかというとハードウェアやソフトウェアの管理になります。

具体的には、PCのインベントリ(スペック情報等)、インストールされているソフトや紐付くライセンス、ソフトウェアの配布等、機能は非常に多機能になっています。

 SKYSEA

電車の広告やCMでも見かけたこともある方が多いのではと思います(藤原竜也さんが出ているやつです)。

おそらくIT資産管理といえば、というくらい最もメジャーな製品ではないでしょうか。

機能も非常に多機能(特にWindows)ですし、定期的にサービスがアップデートされ機能追加もあったりとサポートも充実していると言われています。

広告に力を入れているくらいなので、企業としても安定していると思われるので、そういった意味での安心感もあるでしょう。

連携したサードパーティサービスが多いのも特徴で、拡張性にも富んでいます。

基本的にはオンプレのみとなっています。

 LanScope Cat

こちらもメジャーどころの一つでしょう。

機能も多機能である他、クラウド版があるので、社内ネットワークに接続されていなてもインターネットにさえ接続されていれば、リアルタイムに管理を行うことが可能です。

 Marion

こちらもクラウド版がある製品です。

どちらかというと、Mac端末の管理に力を入れており、他社製品と比較してMacの管理項目や機能が多いところが特徴です。

Iaas

Iaasとは、Infrastructure as a Serviceの略で、クラウドサービスの中でもサーバやネットワークといった、読んで字のごとくインフラまでを提供したサービスです。以下が代表的なサービスです。

AWS

Amazon社が提供する、Amazon Web Service。おそらくシェアはトップクラスなのではないでしょうか。

SaaS(Software as a Service)を提供している会社は、AWSを使用してサービス提供環境を構築しているところも多くあります。

代表的な機能としてはEC2(Elastic Compute Cloud)、S3(Simple Storage Service)、RDS(Relational Database Service)等が挙げられるでしょう。

Azure

Microsoft社が提供するサービス。「アジュール」って読みますよ、「アズール」ではありません。

後述するグループウェアのOffice365はもちろんAzureで構築されており、Microsoft製品との互換性が特徴とも言えるでしょう。

GCP(Google Cloud Platform)

Google社が提供する、Google Cloud Platform。

後述するG Suiteは、GCPで構築されており、機械学習に力を入れているため、その分野を取り入れたデータ活用がしやすいのではないでしょうか(Big Query等)。

上記2つのIaaSとは少し毛色が違う感じがしますが、ゲーム会社の開発及びサービス提供環境でよく使用されていたりします。

グループウェア

グループウェアとは、簡単に言えば社内の情報共有を円滑化するためのシステムです。

メールはもちろん、スケジュール、社内掲示板やポータルサイト、チャットツール等、非常に多くのツールが詰め込まれているため、色んなサービスをあれこれ契約しなくても、このグループウェアがあれば社内の情報共有やコミュニケーションの円滑化をすることができます。

これも一定以上の従業員規模の企業は当たり前に導入しています。

G Suite

Google社が提供するグループウェアサービスです。私がいる会社ではこれを導入しています。

プライベートでGmailやGoogleカレンダー等を、無料の@gmail.comのGoogleアカウントを取得して使用されたことのある方は多いことと思いますが、このGoogleアカウントを独自ドメインで取得することが出来る、いわば法人向けのGoogleサービスです。

独自ドメインでGoogleアカウントを取得できるため、Gmailも独自ドメインで使用できるのは勿論のこと、GoogleカレンダーやGoogleドライブをはじめとしたGoogleサービスを使用することができます。

代表的なサービスは、

  • Gmail(メール機能)
  • カレンダー(スケジュール機能)
  • ドライブ(オンラインストレージ)
  • Hangouts Chat(チャットツール)
  • Googleサイト(社内ポータルサイト)

等が挙げられるでしょう。Googleサイトはどんどん機能を縮小して、rakumoやLumApps、サテライトオフィスといったサードパーティベンダーのサービスへ誘導する傾向にあります。

他のグループウェアサービスと比較して強い部分は、Googleは検索エンジンの会社なので、検索性や検索スピードに非常に長けています。

また、近年では機械学習という点に力を入れています。ユーザーが欲しい、必要な情報にいち早く辿り着く、探す時間を短くして生産性のある業務に割く時間を増やす、というところに重点を置いており、そのための機能追加やアップデートがどんどん進んでいます。

基本的には全てWebブラウザ上で完結するため、PC管理者はGoogle Chromeを入れるだけで終わり(他のブラウザでも動きますがChrome推奨です)、メールソフトのセットアップ等が必要ないというのも利点でしょう。

G Suiteの導入や移行、運用に関する話は過去に色々と投稿しているので、導入を検討されている方は是非見てみてください。

Office365

こちらはMicrosoft社が提供するグループウェアサービスです。

特徴として、メールや情報共有といった機能は勿論のこと、ExcelやWord、PowerPointといったOfficeソフトも使用することができ、1ユーザーに対して15台までのデバイスにインストールをすることが可能なため、別途Officeソフトの購入をする必要がなくなるというのが利点と言えるでしょう。

※G Suiteにもドキュメントやスプレッドシートといった代わりになる機能はあるのですが、リテラシーの低い会社だと、ユーザー教育が必要になります。

代表的な機能としては、

  • Exchange Online(メール、スケジュール)
  • SharePoint Online(ポータルサイト)
  • OneDrive(オンラインストレージ)
  • Skype for Business(チャット)

等が挙げられるでしょう。

サイボウズ

グループウェアサービスとして、高いシェア、多くの導入実績を誇るサービスです。

サイボウズ社自体が働き方改革や、従業員が働きやすい会社創りというところにかなり力を入れているので、そういいった働き方を実現出来る企業が増えるようにというコンセプトの元に作られています。

ワークフロー機能や、独自にアプリケーションを設計出来たりと、機能が豊富です。

一方で、ストレージやメールの容量といった面ではG SuiteやOffice365よりも少なめとなっています。

サイボウズには、サイボウズOfficeとサイボウズGaroonがありますが、簡単な違いは、サイボウズOfficeが中小規模向け、サイボウズGaroonは大規模向けとなっており、Garoonの方が管理機能が豊富になっています。

SFA

Sales Force Automationの略語で、営業管理のために導入されます。

営業担当の売上予算と実績の対比は勿論のこと、顧客毎への活動記録や受注案件等も管理することが出来、商材ごとの売上や訪問件数も算出することが可能なため、目標達成のためのKPIに対する進捗も追うことが可能です。

CRM(Customer Relationship Management)と少し重複する機能もありますが、営業実績の向上に結び付けるために導入されます。

salesforce

SFAの代表的サービスといってもいいでしょう。

クラウドサービスもあるため、オンプレミスのサーバが不要なだけでなく、機能が非常に豊富かつ連携出来る他サービスも多いのが特徴です。

SanSan

salseforceとは毛色が違いますが、名刺管理システムとしてシェアが高いサービスです。

交換した顧客の名刺をスキャナで取り込むと、SanSanのサービスセンターへデータが飛び、オペレーターがデータを入力し、ユーザーはオンライン上でそのデータを閲覧編集することが可能です。

顧客管理としても使用することが可能ですが、SFAとしての機能も豊富にあります。

その他

kintone

分かりやすいUIで、プログラミングが分からない人でもアプリケーションを簡単に作成することが可能なサービスです。

Excelで管理していたものもkintoneへ移行したという実績のある企業も多く、業務効率化に役立ちます。

グループウェアを提供しているサイボウズ社のサービスです。

まとめ

以上、情シス界では常識と思われるサービス名をパッと挙げてみました。

勿論他にもたくさんあるのですが、特によく聞きそうな用語をまとめました。

これら全部のサービス詳細や料金体系を覚える必要はありません(覚えられるような優秀な脳があれば覚えておくといいですが・・・)。

ただ、こういうサービスの導入が必要、という状況になった時に、候補をいくつか挙げられるくらいにはなっていた方がいいかと思います。

あと、何よりITベンダーとの会話の中やセミナーとかで出てくることが多いため、概要だけでも知っていれば恥をかかなくて済みますよ!