G Suiteの導入を提案したお話

G Suite導入を提案

概要/あらすじ

実務未経験から情シスに転職。

従業員約300名規模、都内に2拠点、地方に4拠点の会社(非IT業種)で上司と2名体制。

この会社の情シスのあまりのレベルの低さにしびれを切らし、自分の実績も何も無いため、ついに本格的に行動に移すことにしたのであった。

それは、グループウェアの導入である。

こんばんは、ばーふぃんです。

少し期間空いて久しぶりの投稿となります。

現在の会社に情シスとして入社して5ヶ月が経過したが、はっきり言ってこの部門は情シスでも何でもなく、じゃあ何かって言われると本当に答えが出ないレベルで長い間何も機能してないチームであった。

よく上も黙ってたなと思いつつも、このままではこの会社が取り返しのつかないことになる(既にそのレベルまできてるけど)し、何より自分自身何も実績も残せず経験することが出来ないという危機感に晒されていた。

このまま時が流れたらもう転職出来ない・・・

ということで、とにかく何かしなきゃということで、早速行動に移しました。

それは、

G Suiteの導入提案です。

今回は、そのことについて書いていきたいと思います。

G Suiteとは

まあ現役情シスであれば知らない方はいないかと思いますが、かのGoogle社が提供しているクラウド型の統合グループウェアです。

統合グループウェアなんてかっこよく言ってますが、要は

メール、スケジューラ、オンラインストレージ、ポータルサイト、チャット

等の業務で使用するツールを1つのパッケージでまとめて提供しているものです。

グループウェアっていうと、普通は社内にグループウェアのサーバを立てたりするもんですが、これはSaaSのクラウドサービスなので、その必要はありません。

監視やら障害復旧やらバックアップやら、全部勝手にやってくれています。サーバ管理不要です。

細かい機能とかは、別の機会に紹介していきたいと思います。

グループウェア(G Suite)導入検討に至った経緯

もちろん、何の情報もなしにG Suiteやりましょうなんて言ったわけではありません。提案自体はいきなりになりましたが・・・

私の会社の情シスで抱えている問題として、

  • メールサーバがしょぼ過ぎる
  • スケジューラもしょぼ過ぎる
  • メールもスケジューラも全部別サービスで管理が大変
  • ポータルサイトがない(情報共有ツールがない)
  • これらの問題を別個に解決しようとするとそこそこのコストになる

と問題がありました。

メールサーバがしょぼ過ぎる

だいぶざっくばらんに書いちゃいましたが、今使っているメールサーバ、共用ホスティングなんだけどしょっちゅう障害起こして止まるわ止まった後の復旧も遅いわ対応も悪いわ再発防止しないからまた障害起こすわで、はっきり言ってゴミなんです。

また、メールサーバの容量も増え続けていく社員の人数に対して頭打ちで、限界が見えていました。

アカウントごとの容量は上限2GBで、週に数回は誰かしらのメールが上限超過で情シスに問い合わせがあり、メールを消すよう促したり、超過中受信出来なかったメールを教えてあげたりなんていう対応をしていました。

これまたすごいところが、超過中受信出来なかったメールは自動的に再送されるわけではないのはともかくとして、届かなかったメールのタイトルと送信者の一覧を表示した時に、タイトルが文字化け?して表示されるんです。

そのため、毎回文字化けを日本語に戻すサイトを使ってちゃんとしたタイトルに変換してからユーザーにリストを送ってあげているという何とも滑稽なことをしていました。

G Suiteは、1アカウント600円/月と1,200円/月のプランがあり、1,200円の方はメール容量無制限なのですが、600円の方でも30GBの容量を備えているので、こんなくだらない悩みは一気に吹き飛ぶことでしょう。

スケジューラもしょぼ過ぎる

おそらく誰も知らないような超超超マイナーなスケジューラのサービスを使用しているのですが、これまたすごい。

UIもだいぶ古く、ユーザビリティも全く考えられていないようなサービス。

何が一番酷いって、権限設定が分かれていなくて、誰でも人の予定を編集し放題削除し放題。

それで削除時に確認画面とか出ないから、謝って削除ボタン押しちゃったらおしまいという。

という問題がずっと前から挙がっていたらしく、今でもちょこちょこ知らぬ間に予定が消えていて誰が消したのかも分からず途方に暮れる、という事案が出てきているというのが現状です。

メールもスケジューラも全部別サービスで管理が大変

上で挙げたメールとスケジューラは、いずれも全く別サービスが使用されていて、当然アカウントも別々の管理。

人の入社、退職、異動の度にそれぞれのサービスでアカウントを作ったり、消したり、変更をしたり。。。ということをやっています。

グループウェアであれば、これらの機能が統合されているため、グループウェアのアカウントさえきちんとメンテナンス出来ていればよくなります。負担半減ですね。

ユーザ側からしてもちょっとしたシングルサインオンみたいな感じになるので、楽になるはずです。

ポータルサイトがない(情報共有ツールがない)

ポータルサイト代わりに使用しているリンク集はあるのですが、普通にインターネット上に公開されているページのため、セキュリティも何もない。

ただリンクを羅列しているだけのページのため、掲示板機能等のような情報共有やコミュニケーションの機能もない。

グループウェアであれば、一般的にポータルサイトの機能があります。

セキュリティも向上することが出来るだけでなく、当然上記のメールやスケジュールと同じアカウントでログイン出来るので、アカウント管理負担が増えることもありません。

これらの問題を別個に解決しようとするとそこそこのコストになる

もちろん、あえてグループウェアというものを導入せず、それぞれ別個に問題解決をするという方法でも問題はありません。

メールはメールでサーバの容量や機能等を追加していくか、あるいは他サービスへ乗り換える。

スケジューラはスケジューラで、別のサービスに乗り換える。

ポータルサイトはポータルサイトで、Web屋さんに構築してもらってと。

上4つのうち3つはこれで解決されますね。

ただ、あくまでアカウントは別管理。機能も別々。

グループウェアであれば、アカウントは1つに統合、機能も上記以外にもチャットツールやオンラインストレージがあったりと豊富、しかもそれぞれが連動します。

試算した結果、単純コストだけで見ればグループウェア導入の方が多少割高ではあったのですが、機能の幅広さや管理面という部分で、グループウェアの方が圧倒的に優れていたので、グループウェア導入の方向性に持って行きました。

G Suiteの選定理由

上記は、G Suite導入というよりは、どちらかとグループウェアの導入理由です。

一口にグループウェアといっても、G SuiteだけでなくOffice365やサイボウズ、desknet’s等、世にはたくさんのグループウェアサービスが出回っています。

では、その中で何故G Suiteを選んだのか。

クラウドがいい

やはり、グループウェアを導入するといっても、このご時世なるべく社内にサーバを増やしたくない、というのはありました。置き場所もあんまりないし。

そのため、クラウドで簡単に導入出来るサービスにまずは絞りました。まあそれでも多数なんですけどね。

バックアップも自動的に取ってくれるし、バージョンアップも勝手にやってくれます。管理は圧倒的に楽ですね。

Googleブランドとサービスレベルの高さ

なんやかんや企業規模や信頼性は重要です。

グループウェアを展開している企業であれば、規模も信頼性もそれなりのところが大多数ではありますが、天下のGoogle様です。

ご存知の方も多いかと思いますが、Googleは世界各地にリージョン(データセンター群)を構えており、これ以上ない程のサービス冗長性を兼ね備えています。

セキュリティ面でも、クラウドではありますが、Googleであれば安心出来ます。

また、Googleは長いこと検索エンジンを展開してきている企業で、そのノウハウがG Suiteにもしっかり活かされています。

高速検索はもちろんのこと、メールやカレンダー機能の中から包括的に検索する機能( Google Cloud Search)があったりと、「欲しい情報にいち早く辿り着く」ということに力を注いでいます。

馴染みがあり入り込みやすい

G Suiteにおけるメール機能はGmail、スケジューラはGoogleカレンダー、ファイル共有はGoogle Driveです。

特にGmailなんかは、キャリアメールが使われなくなってきている今、スマホユーザーであればほとんどの人が使ったことがあると言っても過言ではないのでしょうか。

ユーザは、今まで使っていたものが変わる、新しいものを取り入れるということに対してめんどくさいと思うのが常です。

自分の業務の合間を縫って移行をしていかなければいけないので。

ただ、Gmailであれば使ったことある人も多く、比較的慣れやすそうであるというメリットがあります。

これもある意味Googleブランドというものですね。

好き嫌いと使用経験

社内で提案するときは、「Googleが好きだからG Suiteを選定しました」なんてことは当然言えませんが、少なからず選定理由にするのは絶対にダメとは言い切れないと思っています。

実は、過去にいた会社でG Suite(当時はGoogle Appsでしたが)をユーザの立場で使用したことがあり、便利さはある程度知っていました。

そのため、機能や仕様についても多少知っているということから、比較的楽に導入出来るのではないかと判断しました。

表向きには好き嫌いを選定理由に盛り込むのはNGですが、好きだからこのサービスを導入出来るように仕向ける、というのは情シス担当の技量でもあります。

余程会社のセキュリティポリシーに合っていない、とか会社の運用には絶対にマッチしない、とかいうことでなければ、自分が導入したいサービスを導入するように持っていくのはアリなのではないでしょうか。

私がいる会社は今まで情シスが全く機能していなかったので、当然セキュリティポリシーなんてものはなかったし(それはそれで問題)、グループウェアを導入するということはメリット要素しかなかったので、そこは気にすることもありませんでした。

「積極的に機械学習を取り入れていて働き方改革に力を入れている」とか「情報を探す時間を短縮してクリエイティブな業務にもっと時間を割けるように考えられている」とか適当なこと言って(でも間違ったことは言ってない)G Suiteが如何に良いサービスであるか分かってもらえるように提案をしました。デモもやったりしました。

まとめ

ということで、グループウェアは企業の従業員数がある程度増えてきたら必須といえるツールです。

導入背景は企業によって様々かと思いますが、セキュリティ強化、情報共有の強化、業務の効率化、管理の簡素化等、大企業であっても中小企業であっても大きなメリットを得られるでしょう。

グループウェアはサービスが非常に多岐に渡るため、選定は苦労するかと思いますが、少なからず自分の過去の経験やノウハウを活用する余地があるのであれば、幾分楽になるところもあるかと思います。

社内提案の結果、まずはトライアルからでもと前向きに導入検討を進めるよう承認が出たので、今後はG Suite導入に関するネタもたくさん書いていけたらと思います。