オフィス移転時に情シスがやることのお話

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概要/あらすじ

実務未経験から情シスに転職して早半年。

相変わらず従業員約300名規模、都内に2拠点、地方に4拠点の会社(非IT業種)で上司と2名体制で続いているが、立て続けにオフィスの移転やら立ち上げの案件が舞い込んできた。

手探りながらも前職での経験を活かせる部分は活かして、移転の案件に参加をするのであった。

こんばんは、ばーふぃんです。

早いもので、春になり今の会社に転職して半年が経過しました。

ここのところ、事務所移転や事務所の新規立ち上げ案件が立て続けに舞い込んでいたので、素人ながらにどんなことをやったか備忘録したいと思います。

ネットワーク関連

ネットワーク回線について

現在の事務所で契約しているネットワーク回線(インターネット回線、専用線等)は、移設の手続きをする必要があります。

必ず回線キャリアの下請け業者が移転先に下見に入るので、現調可能な日程を調整してONU(回線終端装置)の設置位置等を決めるようにしましょう。

余程大掛かりな付帯工事が発生しない限り、そんなに大きな額が発生することもなく、回線移設自体の難易度はそこまで高くありません。

ネットワーク機器について

上記の回線移設によって、グローバルIPアドレスが変更にある場合は、99%ルータの設定変更が必要になりますので、ネットワーク保守をしているベンダに依頼を忘れないよう注意しましょう。

移転先の分は新規購入としておけば、ダウンタイムを少なくすることが出来ますが、中小企業ではその辺ケチることが多いと思うので、荷物搬入後に移転先で設定変更となることが多いでしょう。

また、移転に伴いセグメント等の変更が生じる場合はL2スイッチ等の設定変更も抜かりなく。

移転先のレイアウトが決まっていれば、この段階で設置するハブの数とポート数を落とし込んでしまいます。

が、トップの安易な鶴の一声で移転当日に軽微ではあるもののレイアウト変更が発生しました、マジでふざけんなよじじい。

LAN配線について

配線については総務が考えるような会社もありますが、私の会社では総務がITリテラシーがからっきしのため、情シスの範疇となりました。

レイアウト図を元に、必要なLANケーブルの本数や色を決めます。

移転元のLANケーブルをそのまま使用してもいいですが、私の会社は現状がぐちゃぐちゃなので全て新しく新調して綺麗にしました。

ケーブルタグは必ず付け、配線図は必ず残しましょう。

業者に依頼をする際は、ケーブルの規格(cat5e以上とか)、ケーブルタグの規則やケーブルの色の規則を要求仕様書に落とし込んで見積を取ることを勧めます。

無線について

プライベートIPに変更が無ければ設定変更が不要なケースも多いです。

設置位置は配線ありきになりますが、無線の性質上、天井や高い位置での壁付けが望ましいです。

拡大移転であれば、広さによっては台数を増やすことを検討する必要もあります。

電話関連

電話回線の移設について

こちらもインターネット回線同様に、通信キャリアに移設手続きをする必要があります。

電話番号は、余程近くなければ基本的に変わると思ってください。この場合は、移転先で新規契約、移転元の回線は解約という処理になります。

解約した回線は、トーキ接続(「この番号は移転により・・・」といったアナウンスを流すこと)しておくと、顧客や取引先の混乱は軽減されます。基本的に最長で3ヶ月だか6ヶ月くらいは有効にできたはずです。

他に決めることは、回線数(必要なch数によって決まる)、必要な電話番号数やダイヤルインの有無くらいでしょうか。

PBXや電話機の設定にも関係してくる部分なので、電話の保守ベンダと上手く連携しながら調整していきましょう。

通信キャリアや電話保守ベンダとの会話で用語が分からず困ったら、以下の投稿を参考にしてみてください。

電話回線は、NTT以外は短納期では開通しません。平気で2〜3ヶ月掛かると言ってきます(私は営業時代そう言ってた側ですがw)。

中小企業では上から情報が降りてくるのが遅くて、1ヶ月後に開通させなきゃいけないといった窮地に立たされることは珍しくありません。

こういう時の対処方法は、まずは一旦NTT東西の回線を開通させて、その後番号ポータビリティ工事を行うというものです。

工事費が多少余計に掛かってしまいますが、そのキャリアにすることの長期的メリットがあるのであれば、やむを得ないでしょう。

上にあーだこーだ言われたら、「だったらもっと早く移転する話共有しろや」と言い返してやりましょう!

PBXと電話機

PBXは、既存の保守ベンダがいるはずなので、そこに引越しの依頼を出しておきましょう。

サーバルーム内やサーバラック内に設置されるケースが大半かと思うので、場所の指示はしっかり。

電話機は、一人一人の所有物としてそれぞれの引越しダンボールの中に詰め込ませました。

電話は引越し最中は基本的に使えないものと考えた方がいいので、社内的には内線が使えなくなる周知、社外的には各々取引先や顧客にそのように周知してもらい、その間は携帯で連絡するよう促す等の周知徹底はしておきましょう。

この周知を怠ると、当日になって「何で電話使えねーんだよ」といちゃもんをつけてくる従業員は必ずいますので。

電話回線を移設ではなく新規契約と解約で処理をするケースの場合だと、移転当日は移転元の電話番号を移転先の電話番号に転送するようにしておき、移転先で1人か2人くらいが電話番として待機(その間引越し準備は進めていますが)している、という体制を取る企業もあったりしました。

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ハードウェア関連

サーバ類について

サーバの移設は、サーバを保守しているベンダに依頼するのがいいでしょう。

移設している間についてはシステム断となるので、必要に応じて関係者への周知は抜かりなく。

他拠点で冗長構成を取っている場合は、冗長機に切り替わるよう準備をしておきましょう。

設置位置について、空調設備や電源の取り口などのチェックを事前にしっかりしておきましょう。

サーバルームがちゃんとある場合は、ラックの設計はもちろんのこと、ラック搭載図(何U目にどんな機器がマウントされているとか記載された図)を残すようにしましょう。

PC類について

私の会社では上記の電話機のように、従業員各々の引越しダンボールにそれぞれPCを詰め込ませていました。

ダンボールには社員の名前が分かるよう明記しておき、精密機械シールを必ず貼っておきましょう。

LANに大きな変更がなければ気にしなくていい場合もありますが、IPアドレスやDNS等のネットワーク設定は必要に応じて変更をしましょう。

ちなみにうちの本社にはサーバルームが用意されていないので、次の移転時には絶対用意してもらうように声を上げるつもりです。

複合機について

移設は販売店に依頼をしましょう。

こちらも大きく気にすることはあまりないですが、FAXを複合機で使用している場合は、FAX線は複合機近辺で出すよう電話保守ベンダにネゴっておきましょう。

まとめ

移転に関しては、全体の取りまとめは総務部門が行うことが多いというのが、これまでの経験則です。

しかし、それなりの規模になって総務部門と情シス部門が明確に分かれている場合は、業務の範囲もそれなりに分かれていることが多いので、こういう移転の際にはこの部分については情シスの方で用意お願いします、とったケースも少なくないはずです。

そのため、移転のスケジュールをしっかり把握してそれに合わせたベンダーとの調整が必須になります。それでも中小企業ではトップがなかなか情報共有をしないため、ギリギリまで移転するという事実を知れない、ということもありますので、そういう場合ははっきりと無理なものは無理と言い切ってしまってもいいでしょう。

ネットや電話回線は、フレッツであれば1ヶ月足らずで引けてしまうこともあるので、一旦はそれで代用することも出来ますが、それを解約する費用も余計に発生するため、そこは知らせてくれなかった人達のせいにしてしまってもいいです。